[lang:ja] EthernetInterfaceでフレームのFCSがエラーとなる原因

答えを先に書くと・・・

  • Windowsを初めとしたOSは、FCS(Frame Check Sequence)をアプリケーションに渡さない仕様だから。
  • Wiresharkは最少フレームサイズが64バイトであるように解析結果を表示するが、実際は上記OSの仕様のため、4バイト少ない60バイトのデータとして受け取っている。その為、FCSエラーとして示されている 00 00 00 00 部分は実はダミー(パディング)。
  • mbedの問題ではない。

対策

  • 気にしない。
  • WiresharkでUDPを受ける場合、パケットのデータを1回あたり22バイト以上にする。(19バイト以上でも一応エラーは出ない。)
  • FCSもキャプチャーできる機材を導入する。

mbedでUDPのネットワークプログラムを作っていると、Wiresharkのエラーに出合います。
例えば、このような事例です。

/media/uploads/ban4jp/fcs-01.png

[ ETHERNET FRAME CHECK SEQUENCE ]というエラーが出ています。
また、解析結果も FCS Bad となっています。

これは、OSに起因する仕様で、Windows Linux MacOS いずれの環境においても発生します。
例えば、この Frame 17 では、フレーム全体で66バイトでFCS部分が存在しませんが、通信としては成立しています。
この事から、FCSはOS側で破棄されている事が分かります。

/media/uploads/ban4jp/fcs-02.png

つまり、エラーはWiresharkによる解析ミスが原因と言えます。

しかし、FCSを含めて解析したいWiresharkとしては、FCSが渡されない事の方が問題とも言えるため、本事例は仕様だと思われます。
その証拠にFCSを無視せずに、FCSがある事を前提にした解析をするオプションがあります。
( Assume packets have FCS: デフォルトではオフであるため、FCSが無い場合を想定しています。 )

/media/uploads/ban4jp/fcs-03.png

対策は特に必要ありません

FCSのエラーが気になる場合は、UDPデータサイズを22バイト以上にする事で、OSから渡されるフレームデータにダミー(パディング)が含まれなくなるため、エラーが出なくなります。

(実際に試してみると、19バイトでも解析エラーが出ませんでした。恐らく、渡されたフレームデータからUDPの部分を除き、データが4バイト以上余ったらFCSと見なす処理が入っている為だと推測します。)

Import programTest_UDP

UDP test example code.


1 comment on [lang:ja] EthernetInterfaceでフレームのFCSがエラーとなる原因:

28 Oct 2014

有用な情報有り難うございます。 ちなみに、mbedでフレームデータにダミー(パディング)を含めるようにできるのでしょうか? データサイズは、大きくできないので。また、エラーではないとしてもちょっと気になるので、ダミーパディングにしたいのですが。

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